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2018-08

空き家物件巡り総論・伊那谷の特徴について - 2018.08.03 Fri

さて、昨日の記事でセミナー関係の事は一旦区切りのつもりでしたが、いくつか書き残した事があるので、今回は補完するための総論を書きます。

切り口は大きく二つ。
「伊那谷の地域性」と、「古民家物件」についてです。

正直に、本当に正直に言いますと、今回のセミナーで見学した3件の物件は、「自分だったら買わない」ものです。
ではなぜ、見学して、紹介して、リフォームの提案までしたのか。
それは「求める物件が人によって異なる」からです。
その辺を説明するのにさっきの二つの切り口が必要になってきます。

まずは伊那谷の地域性。
伊那谷というのは、諏訪湖を出発点として流れる天竜川が削り取った谷状の地形です。
北は岡谷市から、南は飯田市あたりまで、南北100kmに渡って伸びております。

伊那谷にはいくつ物市町村があって、我が伊那市は真ん中より少し北に位置しています。

そして他の谷状地形でも同じような事が起こっていると思うのですが、伊那谷の場合も、インフラのほとんどが谷底に集中しています。
つまりは国道と鉄道です(高速道路だけは谷を西側に少しあがったところにあります)。
基本的に谷底が街の中心で、そこから離れると急に不便になってしまうのです。
田舎とはいえ、谷底は街の中心だから、それなりに地価も高く、古民家などが残っている可能性は減ります。

一方で谷から上がったところ。
こういうところは不便です。
国道や鉄道から遠く、店舗も少なく、そして坂道が多いです。
さらに、谷から上がったところは広々しているかというと、これがそうでもなくて。
基本的には天竜川の支流になる川が切り開いたような場所に集落があるため、実は田舎でありながら、密集しているのです。

たとえば日本海側だとか、静岡県だとかを見ますと、田園の中に民家が点在している「散村」というのがよくあります。
広々とした如何にも田舎のイメージです。
平坦な場所が多く、不便でありながらも、自転車などでの移動そのものは楽そうです。

一方で、伊那谷など、谷地形の中では民家が密集する「集村」が多いです。
狭い中に民家が密集し、それを取り囲むように田畑が広がっていたりします。
だから、実は田舎暮らしでありながら、密集していて、広々という雰囲気は少ないのです。
まあそれでも、都会に比べたら十分に広々しているのでしょうが。

僕の場合は「子どもが自力で駅まで通える」ということが、家探しの上で譲れない条件でした。
いちいち親が子どもを送り迎えするのは、教育方針として受け入れられないのです。
すると距離に加えて、高低差のある「谷から上がったところ」は自然と選択肢から消えていきました。

今の物件を買う前にあれこれ探し回りはしましたが、やはり立地の面だけで選択肢はかなり絞られました。

ちなみに、我が古民家は伊那谷の谷底にあります。
谷底なのに敷地700坪を擁する古民家が奇跡的に残っていたのです。
もちろん、売れ残っていたなりの理由があるのですが!!
そして我が古民家の周辺は、実は伊那谷の中では珍しく「散村」的な景観がある場所なのです。
それは「中心市街地の川を挟んで向こう側」という理由があるからなのですが。

そして「駅まで自力でいける」という立地以外にあった、「ヤギが飼える広さ」という条件も満たせています。
我が家の場合はそれを満たした物件がたまたま見付かりました。

っていうと、「なーんだ。運が良かっただけじゃん。自慢か?」となってしまうのですが。
ここで言いたいのが、「計画を3倍程度上回る価格」「腐って倒壊寸前の母屋」「無駄に広すぎる母屋」「雷で半焼した蔵」など、他のマイナス要素を含めて、トータルで判断したという事です。
そういう意味では「譲れない条件」や「優先順位」というものを明確にしておく必要があると思います。

よく言われる言葉で「不動産に掘り出し物はなし」というのは真理だと僕は思っています。
そんな掘り出し物があったら、とっくに買い手が見付かっています。

掘り出し物があるとしたら、それは個人の価値観や条件の中で「短所が気にならない」か「短所を克服できる」というのが可能な場合です。
僕の場合は「自力で直す」ことによって、何とか最大限に組めた予算内で母屋を改修できています。
その代わりに、自分の時間や人生そのものを費やしています。
お金以外の見えないコストをたくさん払っています。
だから、「掘り出し物」とは言えません。
いや、古民家再生の施工が楽しくて仕方ないから、個人的には物凄く掘り出し物だったのですけれどね。
それはまあ「楽しい」っていう、超個人的な付加価値があったからです。

空き家物件を見に行った方々というのは、「掘り出し物が無い」という事実にがっかりされる事も多いのではないかと思います。
一般論として。
しかしその中で「譲れない条件」「優先順位」をはっきりさせると良いと思います。
そして「自分の強み」「自分にできる事」を考える事です。
「ぼろくてもDIYで直してやろう」とか「不便なところで生活したい」とか。
そうすると自然にその物件が「掘り出し物」に見えてくるかもしれませんよ。
一般論として。

長くなったので、続きはまたいつか書きます。



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野人

Author:野人
こんにちは。
野人っていいます。
前職はラーメン屋台を経営していました。

伊那谷にて2012年暮れに築150年の古民家を購入し、3年4ヶ月かけて最低限の面積を再生して、2016年3月末に移住しました。
全ての再生は10年計画なので、まだまだ続きます。

もちろんプロの方々にもお世話になりますが、お金があまり無いので、なるべく低予算と自力での再生を頑張っています。

ブログの記事数は膨大なので、手っ取り早く内容を知りたいという方はこちらのスライドショーをご覧ください。
ブログの内容を25分に凝縮しました。
https://www.youtube.com/watch?v=ZpFnv9gLmJM

自分が古民家再生をする上で、他の人のブログを参考にしたり、あるいはHPから知識を得たり、ネット社会には本当にお世話になっています。
なので、自分自身も再生の過程を発信することで、少しでもネット社会から与えてもらったものに対して恩返しできればと思っています。

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