とてもうれしい記事を発見!・僕が古民家に住む理由再び - 2021.09.08 Wed
えーっと、エゴサーチ。
つまりは自分自身のことを検索するわけです。
まあ、とはいってもそのまんま「伊那谷の古民家再生」で検索するくらいですが。
時々、他所のブログなどで取り上げていただけていて、うれしくなることもしばしば。
で、昨日久々にエゴサしていたら、とてもうれしい記事を発見してしまったのです。
それが、
一家だんらんさんの
3000万円の新築よりも、3000万円かけて古民家に住むという選択
という記事。
是非ともリンクを飛んで、読んでみてください。
僕のことがべた褒めされています(笑)
僕や家族のことを「日本の宝」とまで言ってくださっています。
という、光栄な紹介のされ方でした。
記事そのものは僕の書いた、
僕が新築を選ばなかった25の理由 - 2016.06.24 Fri
という記事を紹介していただくような内容でした。
いやあ、忘れてたわ、この記事(笑)
そうそう。
移住して、少し落ち着いた頃にこういう古民家を選んだ理由みたいなまとめの内容の記事をいくつか書いたんだった。
今読むと、いいこと書いてます(笑)
という、5年ぶりに自分の書いた記事に出会うこともできました。
おかげさまで。
さて、それで、僕が古民家を選んだ理由、新築を選ばなかった理由というのは、先ほどの記事にまとまっている通りです。
今読んでもいい記事ですので、読んでみてください(自画自賛)
で、今日は何が言いたいのか、なぜこの記事を今日書いているのかというと。
この写真。

これ、昨日の記事で書いた8月16日の残業後、7時32分に土間で撮った写真です。
散々残業して、家に入ったんだから、さっさとシャワー浴びろよ、夕食作れよ。
って話ですが。
つい、土間がいい感じだったので、見とれて撮影してしまいました。
やっぱり僕、土間が好きですわ。
この雰囲気。
僕にとっては古民家というのは紛れもなく生活の場で、見慣れている場で、それでもまだまだ見とれてしまって、そういうたくさんの表情を見せてくれます。
この土間、新築だったらまずありえないよな。
新築で作ったとしても、この味は再現できないよな。
施主が希望しても、きっと設計士に止められるよな。
という、この土間一つとっても、土間の写真一枚とっても、僕がこの古民家を選んだ意味が伝わるような気がします。
結果的新築並みかそれ以上のお金がかかったけれども、いまだに再生は終わらないけれども、僕にとっては最良の選択だったという自信があります。
そんなことをお伝えしたくて、今回の記事を書きました。
一家だんらんさん、ご紹介いただき、そして昔の自分の記事と再会させていただき、ありがとうございました。
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古民家再生で人生が変わった - 2017.03.27 Mon
3年3ヶ月の古民家再生と、1年間の古民家生活を経ての改めての感想というか、俯瞰的な視点で見えたものをお伝えします。
古民家再生をするということ - 2016.06.21 Tue
以前にこちらの記事でも詩的で大袈裟なことを書きました。
その最後の締めが、「古民家再生をすると人生が変わる」というような文句だったのですが、こうして古民家生活1年を経て改めてその文句の正しさを実感するわけです。
これは、これから古民家再生を始める方、あるいは古民家再生を始めたばかりの中野さんのような方にぜひとも伝えたいことです。
古民家再生とは、古民家を買って直して住むというような表面的な行為ではなくて、「古民家再生という生き方」をすることだと思います。
あるいは、そういう生き方を選択すること。
公私共に生き方が変わります。
仕事の仕方だって変わります。
家族との接し方も変わります。
プライベートの時間ももちろん変わります。
人との付き合い方、友人、新しい仲間、人間関係全般が変わります。
自分に与えられた1日24時間、1年8760時間という限られた時間の中で、古民家再生という大きなミッションをこなし、多大なる時間を割かなければなりません。
それまでのように、友人と遊ぶ時間もなくなります。
その代わり、友人のうちの何人かは助っ人になってくれます。
助っ人とはそれまで以上に多くの時間を一緒に過ごすことになります。
助っ人以外の友人とは疎遠になるかもしれません(僕の場合はほぼすべての友人が助っ人になってくれた)
そして、ネットなどで発信することによって、古民家再生を通じて新しい仲間や友人が出来ます。
古民家再生は多くの場合、家族全体のミッションなので、家族のあり方も変わります。
家族で協力して当たらなければなりません。
家族で共同作業することもあるでしょう。
我が家のようにチビたちがいるばあいは、嫁さんがチビの面倒を見ながら、僕が作業をするという分担が基本となりました。
そして、買う家にも寄りますが、古民家再生というミッションは多分完結しません。
いくつかの区切りはあるのでしょうが、たとえば「3年間かけて再生して、完成したらおしまい。ちゃんちゃん」みたいなことはなかなかないと思います。
この辺は新築とは明らかに違う部分です。
常にあちらこちらと、いじりたい部分が残ります。
家屋や敷地も含めて。
これは古民家というのはただでさえいじりやすい上に、古民家再生の中でスキルが上がってしまっており、道具も揃っているので、何を見ても「自分で出来る」という発想になってしまうからです。
たとえば敷地内に邪魔な岩が一つあっても、通常ならば諦めるところですが、自分で出来ることを知っているので「どかそう」となってしまいます。
しかし、ここで逆説的な言い方をすると、古民家再生で人生が変わるわけではありません。
そもそも古民家再生をするという人は、多かれ少なかれDIY的傾向があるからです。
元々DIY的傾向がある人が、古民家再生を始めてしまったことにより、よりいっそうそちらの世界に入り込んでいく。
後戻りできないほどに。
そう考えると、古民家再生というのは人生を変えるターニングポイントというか、越えてしまった「一線」という感じもします。
だから、なんというか、僕を含めて古民家再生をやっている人に対しては、「一線を越えてしまったんだから、まあがんばりましょうや」程度の気持ちは抱きます。
そして、古民家再生をこれから始める人に対しては「それ、一線越えるよ」くらいに言いましょう。
といっても、直接知っている古民家再生の施主施工者。
古民家野郎さんは僕のことを「先輩」って呼んでくれるけれども、彼のほうが年上だし、古民家でないにせよ施主施工を1件終わらせた経験者でもある。
後輩って感じはしないですね(笑)
素人大工さんも梟の子さんも里山古民家さんも僕よりは結構年上と思うので、やっぱり後発であっても後輩という意識はないです。
やっぱり中野さんだな。
後発だし、年下だし。
そして彼の場合は、DIY的雰囲気もあまりない。
中野さんの人生は、古民家再生をきっかけに大きく変わる気がする。
僕の人生も変わりました。
それまでのような時間を持て余す休日はなくなりました。
忙しくも、楽しい、やりがいのある世界にいます。
こちらの世界に来たい方はお早めにどうぞ☆
(古民家の劣化や、職人の高齢化的に・・・)
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古民家再生に究極的に必要な二つのもの - 2017.01.28 Sat
実は中野さんの古民家でアドバイスをしている間、帰り道、帰ってからもずっと自分の中にモヤモヤするものがありました。
5時間もお話したので、それこそ内容はたくさんです。
土壁の作り方から、建具への下駄の履かせ方から、全体の作業工程まで。
でも・・・。
僕は一番大切なことを言っていない気がする。
帰宅したら中野さんからのお礼メールが届いていたので、考えながら返信しました。
「近々、電話で大切なことをお伝えしたい」と。
うーん。
どう伝えたらいいものか・・・。
少なくとも今の中野さんの計画では上手くいかない気がする。
なぜ僕に古民家再生ができたのか? - 2016.06.30 Thu
以前にこちらの記事でも、自分が古民家再生を出来た理由を7つ挙げたことがあります。
中野さんに伝えたかったのは、それとも似ていますが、もっと根源にある、究極的なことです。
古民家再生に究極的に必要なもの。
それは、お金か時間のどちらかです。
両方ではなく、どちらか片方が十分に確保されている必要があります。
要するに、お金をふんだんに使ってプロにやってもらうか。
自力でちまちま時間をかけてやるか。
ということです。
まあ、「タイムイズマネー」なんていいますから、同一的なもの、補完関係にあるものともいえるわけです。
お金をふんだんに使えば、通常の民家規模であれば、半年程度、1年はかからずに再生できます。
かなり傷んでいる物件でも。
時間が十分にあれば、どうにも必要な部分だけプロに任せて、他は自力でいくらでも出来ます。
するとその分に関しては経費は材料費のみで、プロに任せた場合に比べて1~2割の金額で済ませることが出来ます。
本当に、新築以上に古民家再生の場合は人件費の比重が大きいですから。
さて、中野さんの場合はどうでしょう。
移住予定日は今年の12月。
工期は1年を切ります。
予算はここでは書かないけれども、うちと同じようなもの。
プロにすべてを任せたら、必要箇所の半分もいかずに予算が尽きそうです(「必要箇所」の考え方にも拠りますが・・・)。
そして、出来るところは施主施工でやりたいという希望があります。
ここまでで、工期も予算も十分ではないことが明らかです。
それ以上に僕が心配なのは距離の問題。
中野さんは静岡県藤枝市在住。
物件は愛知県新城市。
スムーズに行けても片道1時間以上かかります。
(高速区間だけで75キロ)
加えて、小さいお子さんがいらっしゃいます。
1月2日にお伺いしたときは、お子さんたちは中野さんのご実家に預けての作業。
となると、なかなか長時間の作業とはいかず、夕方の早い時間には切り上げて迎えに行かなければなりません。
これからしばらくの間は工務店主体での再生工事が始まり、それと並行して施主施工を始めたいところですが、きっとこの距離と時間では、週末は工務店との打ち合わせに忙殺されるでしょう。
最悪の場合、工務店が半年間入って、その間はほとんど施主施工できず、工務店の工事終了後もやるべき箇所が大量に残され(どこまでやるかの打ち合わせが完璧でないと、容易に起こりえます)、予算も時間も残り少ない中で移住の目途がまったく立たない。
ということもありえます。
我が家と同じように、子どもの入園入学に間に合うように移住するという予定なので、移住の目途が立たないのは大問題です。
僕は基本的に能天気で楽観的な人間ですが、それでもこのような最悪のシナリオを考えてしまう状態でした。
でもなあ。
他人様の人生にそこまで介入するようなことを話すのもな・・・。
でも、言わなければ伝わらないよな。
そう悩むこと丸二日。
僕は意を決して、話すことにしました。
このままでは大変なことになりえると。
僕が話した内容は以下の3点です。
①工期を1年伸ばしたほうがいい
②すぐにでも物件近くに賃貸に移住して、週末は作業に集中
③移住と同時に物件近くに転勤
他人様の人生に踏み込み過ぎな発言です。
①はまだいいとしても、②③では住むところや、働くところにまで口を出しています。
僕だって他人様に干渉したくないですよ・・・。
ただ、言わなきゃ中野さんも自分も後悔する羽目になると思って言いました。
僕が古民家再生できた理由はいろいろですが、なにより時間があったことです。
そして、現場と自宅が近くて、家族の理解があって、週末は子どもたちは嫁さんと長女に任せて、現場作業に没頭できたからです。
朝9時前後から、夕方は7時近くまで。
本当に必要なときは休日平日関係なく深夜まで作業しました。
それが実現するためにはやはり現場と自宅と職場が近い必要があります。
現場と自宅との移動や、通勤に時間をとられている場合じゃないのです。
このことを話したときの中野さんの反応は、
「やっぱりそうですよね・・・」
でした。
多分、中野さんも分かっていたのだと思います。
ただ、決断をするのに、誰かの後押しが必要だったのではないでしょうか(推測)。
後日、中野さんから連絡があって、奥さんと相談し、工期を延ばすことと夏に物件近くに移住することを決めた、とのことでした。
ひとまず、安心しました。
僕もどこかで人手が必要になったら、お手伝いに行きますよ☆
こうやってブログを書き続けていると、良くも悪くも他人様に影響を与えてしまう部分もあります。
ごく限られた人への、わずかな影響でも、影響は影響です。
それがときに他人様の人生を狂わせてしまうとしたら、少し怖いです。
僕は自分の人生の責任を取るだけで精一杯ですし。
ただ、僕はそういうネガティブな側面よりも、古民家再生を通じて人の輪が広がるというポジティブな側面を大切にしたいです。
だから今日もこうして、記事を書いています。
(いつもいつも、無責任な記事でごめんなさいね・・・)
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分離発注(直営方式)の大変さ・現場監督の必要性 - 2016.07.03 Sun
通常の工事の場合ですと、元請けがいます。
それはハウスメーカーであったり、工務店であったり、設計事務所であったり。
家づくりに必要ないろんな職方を集め、仕事を発注し、順番を組み立て、お金や人や物の流れを整理していく仕事です。
いわゆる「現場監督」がこれに該当します。
で、その業務を施主が代行するのが直営方式です。
僕自身も建築業の中にいるわけではないので、施主施工してきた自分なりの解釈です。
間違っている個所がありましたらご指摘ください。
特に古民家野郎さんは、この辺りのことについてはとても詳しいですよね。
パターンとしては大きく3パターンくらいある気がします。
パターン①従来通りの元請け方式
施主 → 工務店(元請け) → 職方(下請け)
施主の要望通りに元請けが仕事を請け負って、工事に必要なお金を預かって管理し、下請けに仕事を発注して、支払いを行っていくパターンです。
元請けと下請けはプロ同士で組んでいるので、いろんな打ち合わせなどもスムーズにいくはずです。
パターン②分離発注(直営方式)
施主 → 職方
元請けを使わずに、施主が直接に職方に仕事を発注するパターンです。
図示すると単純ですが、これが滅茶苦茶複雑です。
まず、施主が素人。
職方にうまく発注できませんし、職方のしゃべっている内容も半分くらいしか理解できません。
そして、工事にはいろんな職方が絡みます。
たとえばうちの場合は、システムキッチンの打ち合わせの時。
①指定施工者②ガス屋さん③設備屋さん④施主(監督兼大工兼電気工事士)という四者での話し合いとなりました。
うちの場合は僕が大工と電気工事士を兼ねていますが、施主施工しない分離発注の場合だと六つの職方で打ち合わせ、さらにその内容を施主が現場監督として整理しなければなりません。
どの業者がいつまでにどの施工を終わらせるか。
これはかなり大変です。
パターン③(現場管理者を使う場合)
施主 → 設計事務所(現場管理者) → 職方
世間で言われているいわゆる「分離発注」というのはこのパターンだと思います。
お金の流れとしては
施主 → 職方
となりますが、業務の流れとしては間に設計事務所(現場管理者)が入って、いろんな仕事の交通整理を行います。
で、管理料として全体費用の5%(40万円とか)くらいが発生するわけです。
まあ、なんというか、従来は工務店がマージンを取っていた部分を、分離発注と管理料とで別建てにするというか、明朗会計にするというか、そういうものです。
たぶん、元請けの工務店がマージンを取りすぎだったり、会計が不明瞭だったりで、こういう仕組みが出てきたのでしょうね。
で、ですね。
結局何が言いたいかというと、施主施工の古民家再生において管理料の数十万円というのは非常に重い負担です。
かといって、そこを省くと大変なことになります。
新築と違って古民家はすでにある家に手を入れること。
いわゆる「後先施工」となって、一つ一つの職方の絡みが複雑になるからです。
僕の場合はというと、まずは無知ゆえに管理業務の大切さとか、必要性を認知しないままに古民家再生を始めました。
材料費や工賃などにはお金は支払っても、管理料などというわけのわからないものにお金を払うという認識はなかったのです。
ですから、分離発注の、施主直営方式まっしぐらでした。
その大変さも知らないままに・・・。
で、結局あゆみ大工さんに各種の施工をお願いすることになって。
あゆみ大工さんからも「この物件の場合は直営方式の方がいいですよ」という提案があって。
でも、毎日現場にいるわけでもなく、専門の知識があるわけでもない僕には本当の直営方式は無理で、あゆみ大工さんが基礎・曳家・板金・足場・伐採・賃挽き・天窓・煙突などの各職方を見つけてきて、仕事を依頼するという形になりました。
今思えば、このような中途半端な直営方式がトラブルの元だったわけです。
責任の所在が不明で、「なんとなく・・・」で進んでいく現場はとても危険です。
が、危険度はともかくとして、我が家の場合はこのやり方で進んでいきましたし、結果オーライというところに収まりました。
今思えばずいぶん危ない橋を渡りましたし、ニアミスもたくさんあったのでしょうが。
我が家がこの方法で良かったと思うのは、結果的に管理料のようなものは発生しなかったという部分と、再生の主導権は常に施主にあり、施主がその中に参加していけたという部分です。
この点が、例えば工務店などに任せてしまうと、難しい部分です。
請負いというのは「この予算で、これをやってね♪」という契約を結ぶわけです。
実質的に、予算と施工内容の折り合いがついた時点で、主導権は工務店に渡ると思った方がいいです。
施主は請負い内容どおりに進んでいるかを見張っているだけ、という感じです。
まあ、そりゃそうですね。
契約通りの予算と中身で進んでいる以上は、それ以上の細かなことまで施主が主導権を握る必要性はありません。
また、施主の参加についても、やはり難しくなると思います。
プロは素人が現場に入ることを嫌がります。
そして、請負い業者は責任の所在が曖昧になることを嫌がります。
施主が現場に入ることについて、請負業者のメリットは全くありません。
むしろ、自分たちがもらうはずの工賃が削られるだけです。
この辺が、我が家の場合は絶妙のバランスで進んでいきました。
たとえば、屋根木工事の場合。
直営方式なので、職人さん5人への支払い、材料の支払い、足場と板金などの支払いも施主が直接支払います。
しかし、現場を管理していたのはあゆみ大工さんでした。
そして、あゆみ大工さんは足場屋さんに足場を作らせ、大工仲間に声をかけて集め、材料を発注して工事を進めました。
僕自身も一職人として屋根に上り、あゆみ大工さんの指示通りに動きました。
今思えばあゆみ大工さんはものすごいことをやっていますが、まあ、そういうことを勢いでできちゃう人なのです・・・。
梟の子さんはたぶんこのあたりで悩まれているのだと思います。
工務店に請負いでは主導権もなくなってしまうし、自分も参加できなくなってしまうし、マージンや管理料も発生してしまうし。
しかし、僕の場合はというと、「たまたま上手くいった」としか申し上げられません(汗)
仰ることも、求めていらっしゃることもわかるのですが。
あゆみ大工さんのように「責任不在型中途半端請負い方式」をやってくれる大工さんが見つかればおそらく僕と同じようなことができますが、それはずいぶんと危ない道です。
予算がオーバーしたとき。
施工不良が起こったとき。
事故が起こったとき。
これらのトラブルについて、責任の所在が不明になり、うまく対処できない危険があります。
うちの場合は予算オーバーのトラブルに見舞われまして、そこそこ大変な思いをしました。
しかし、言ってみれば、「予算オーバー程度で済んだ」という非常にラッキーな事案でもありました。
危険な道をあゆむ覚悟がありますか?
トラブルになっても、丸く収まるほどの信頼関係を築けますか?
ということに尽きると思います。
僕の場合は「人生博徒」くらいに思っちゃってるので、なんのかんのとここまで来ちゃいましたが。
もう一度まとめますが、梟の子さんが求められていることについて、模範解答は存在しないと思います。
結局のところは、梟の子さんの欲していることを理解して実現してくれる業者(工務店でも大工でも)に巡り合えるかということに集約されるかと思います。
業者は、仕事を囲い込んで(自分の取り分を増やす)、施主の現場へのかかわりを排除する(リスク回避のため)というのが基本的な思考だと理解してください。
それを理解すると業者の言い分も理解できます。
そして、世の中には良心的な業者もたくさんあるはずです。
梟の子さんの希望にかなった業者が見つかるといいですね。
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プロに頼んだ作業 - 2016.07.02 Sat
昨日の記事では「助っ人に頼んだ作業」についてでしたが、今日は「プロに頼んだ作業」です。
いくら施主施工の古民家再生とはいっても、プロに頼まないといけない部分はあります。
個人差はあると思いますが、僕の場合についてお伝えします。
①躯体の補強
我が家の場合は再生全体予算で1800万円のうち400万円ほどを使って躯体の補強を行いました。
雨漏りで躯体がダメージを受けている都合上、やむえなかった部分です。
躯体の補強は建物の強度に関わります。
そこに暮らす家族の安全に関わります。
だから、妥協しづらい部分ではあります。
躯体を補強するには、建物の構造をよく知っていなければなりません。
どういう仕組みで建物は強度を保っているのか。
その建物で、地震が来た時に弱そうな部分はどこか。
そして、木の特性をよく知っていなければなりません。
金物と木の違いをよく知っていなければなりません。
傷んだ躯体を補強するには、材料そのものを交換したり、金輪継ぎなどで継いだり、添え木をしたり、柱や梁桁を増やしたり、金物を使ったりしなければなりません。
このうち、材料の交換や金輪継ぎは素人がちょっとやる領域を超えています。
プロ並みの技術を習得する覚悟があるのならば別ですが、そうでなければプロにお願いした方が良い箇所です。

1尺の大黒柱を金輪継ぎするあゆみ大工氏。
でっかい丸鋸で切断中です。

同じく、刻み中。
こんな大きな柱を金輪継ぎするなんて、物の大きさといい、やり直しが利かない重大さといい、僕には無理です。
②水平垂直の補正
躯体の補強に比べたら水平垂直の補正は、作業自体はまだ簡単な方です。
と言ったら、怒られちゃいますかね・・・。
もちろん、素人が気軽には手を出せない、危険で難しいことだとは思いますが。
これら水平垂直の補正をプロに頼まないといけないのは、必要な道具が揃えられないということです。
水平の補正、つまりは不同沈下を直すのには大量のジャッキが必要です。
ねじ式の建築ジャッキでも1万円以上。
ツメ付きの油圧ジャッキならば4万円くらいします。
それが幾ついるかというと、うちの場合は20~30個くらい使っていました。
とにかくものすごい数のジャッキを曳き屋さんが持ってきたのです。
よろび起こしもやはり特殊な道具が必要です。
高価な道具を揃えなければならず、難易度も危険度も高い水平垂直補正はやはりプロに任せた方が良いと思います。


このようにたくさんのジャッキを使います。
特に高価な爪つきジャッキが重要で、これが無ければ満足に持ち上げられません。

そしてよろび起こし。
この曳き屋さんが発明したという、自前の道具を使っています。
③屋根
我が家の場合は寿命をとっくに超えている茅葺き屋根があって、その上からガルバリウム鋼板を被せました。
この部分についてもやはり大工さん主導でした。
危険度もありますし、規模は大きいですし、大変ですし、時間との戦いですし、足場や板金やトップライトや煙道とも絡む複雑な工事ですから。
これを素人の施主施工でやるのは無謀です。
セルフビルドなどでももちろん屋根を作っていますが、あれには理由があります。
たいていは片流れで、勾配の緩い屋根のはずです。
古民家は、特に茅葺きの古民家は勾配がきつく、さらに面積がとても広いです。
我が家では建坪65坪に対して、屋根面積が100坪くらいあります。
寄棟で、勾配がきついと、屋根面積が増えるのは仕方のないことです。
勾配は矩勾配(45度)といいたいところですが、実際には50度くらいあります。
屋根足場を組まないとまったく登れません。

屋根木工事の風景。
僕も合計で50日くらいかな。
かなりの回数を上がりました。
とても楽しく、いい経験をさせてもらいました。
一人で設計から施工までやれって言われたら絶対に無理ですけれど!!

同じく板金屋さんの仕事。
板金の発注・加工から施工まで。
これも規模といい専門性といい、絶対に無理です。
④ユニットバス・システムキッチン
ユニットバスとシステムキッチンについては施主施工でもできるらしいです。
現に、古民家野郎さんなどは以前の施主施工でユニットバスを着けたので、僕に対しても呪詛の詞のようにそれを勧めてきます(笑)
ただ、僕にはそのための時間も勇気もありませんでした。
結果的に、我が家はそれでよかったと思います。
ユニットバスはプロの仕事を見ていましたがざっと2人工といったところでした。
施工部分だけで。
ただ、ユニットバスは気密性防水性が命です。
それを素人でやるのはとてもリスクが高いように思われたので、あきらめました。
プロで2人工ならば、素人では5人工か、それ以上かかるでしょう。
あと、これ系は素人でできても、普段は使わない工具が必要になることも多いです。
システムキッチンについても、時間がなさ過ぎたのでプロに任せました。
こちらは3人工かかっていました。
少し見ていましたが、家の傾きからくる下地不良を上手に調整しながらやってくれていました。
僕がやったらきっと下地不良にすら気づかずにやっていた可能性大ですので、任せてよかったと思っています。

ユニット屋さんの仕事。
新品のバスタブにホルソーで穴を開けるなんて、僕には出来ません!!

同じくユニット屋さんの仕事。
こういうのを素人がやると、施工説明書などとにらめっこして、ちっとも進まないでしょうね。

同じ業者さんのキッチン据付け風景。
プロが3人がかりです。
⑤上下水道
上下水道管の接続は指定業者でないとできないので、無理です。
ただ、うちの場合は設備屋さんが気さくな人で、僕にできる部分は材料を支給して僕にやらせてくれたので、その分の人工は浮きました。

上下水道。
重機も要りますし、許可も要ります。
⑥ガス配管
ガス配管は素人では無理です。
業者に頼みましょう。
最近は無償での工事は原則やってくれないようですが、交渉をがんばりましょう(笑)
⑦電気工事
電気工事は資格さえ取れれば自分でできます。
電力会社によりますが、引き込み工事も、資格を持っていて、自宅の工事をするだけならば登録業者でなくてもできるようです。
ただ、我が家は引き込み工事だけはプロにお願いしました。
それは、法律や、その他の順守事項がよくわからず、部品などもその辺で売っていないからです。
ただ、引き込み工事だけだと3万円くらいでやってくれました。
電気工事は大部分を施主施工することにより、大幅な節約ができます。

引き込みが終わったところ。

引き込みの支持金具は調べたけれども、全く分かりませんでした。
プロの仕事はこんな感じ。
案外ケースバイケースで、応用を利かせる感じ?
というのが、我が家がプロに頼んだ工事です。
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