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2018-06

耐力壁としての土壁 - 2017.01.31 Tue

中野さん向けの記事の最後です。
素人大工さんにも現在進行形で関係しています。

これから古民家再生に挑む方へ。
土壁はいいですよ。
土壁のよさだけでシリーズで書けるほどです。

いい蓄熱壁です。
調湿してくれます。
風合いがいいです。
素人でも作れます。
小舞さえ掻ければ、歪な場所にだって壁を作れます(古民家再生では重要!)。

そして、強すぎない理想的な耐力壁です。

「土壁は耐力壁ではない」
なんて言っちゃう勉強不足の木造建築士さんは、免許を返納して退場してください。
たとえ改正以前の0.5倍の壁倍率だって、耐力壁は耐力壁です。

土壁の壁倍率は平成15年12月に「壁倍率を定めた告示(昭56建告1100)」によって改正され、それまで一律0.5倍だったのが、壁厚などの仕様によって0.5~1.5倍の壁倍率が認められるようになりました。
最大で、従来の3倍の壁倍率(耐力壁としての性能)が認定されたのです。
(あ、最近うちのブログで改正後の数値を0.5~2.0倍と記憶違いして表記していました。さっき気づいたので、過去記事も2箇所直しておきました。訂正とお詫びを申し上げます)

さて、それで、それら従来以上の壁倍率が認定される壁の条件は以下のとおりです。

『貫』は、厚さ1.5cm以上、幅10cm以上のものを、91cm以下の間隔で3本以上設け、柱との仕口はくさびで固定する。
『間渡し竹』は、幅2cm以上の割竹または径1.2cm以上の丸竹とし、柱および梁・桁・土台などの横架材に差し込み、貫にSFN25同等以上の釘で打ち付ける。
『小舞竹』は、幅2cm以上の割竹を4.5cm以下の間隔で配置し、棕櫚縄または藁縄、パーム縄などで、間渡し竹に締め付ける。
『荒壁土』は、100ℓの砂質粘土(荒木田土など)に対して、0.4kg以上0.6kg以下の藁すさを混合したもの。
『中塗土』は、100ℓの砂質粘土(荒木田土など)に対して、60ℓ以上150ℓ以下の砂及び0.4kg以上0.6kg以下のもみすさを混合したもの。
上記のものを以下の塗厚で施工する。
中塗土を両面に塗り、土塗り壁の壁厚7cm以上 → 1.5倍
中塗土を両面に塗り、土塗り壁の壁厚5.5cm以上 → 1.0倍
中塗土を片面に塗り、土塗り壁の壁厚5.5cm以上 → 1.0倍


法律なので、土壁のような極めてファジーなものもいちいち数値で表さないといけないのでちょっとややこしいのですが、これはいたって緩い基準ですよ。
よほど材料をケチらなければ余裕でクリアできる基準です。

ちょっとうちのやり方で比較してみましょう。
左側の青字が公示の条件で、右側の赤い部分が我が家の仕様です。
『貫』 厚さ1.5cm以上、幅10cm以上 → 厚さ3.0cm、幅12cm
    91cm以下の間隔で3本以上設け → 60cm以下の間隔で3~4本設けた
『間渡し竹』 径1.2cm以上の丸竹 → 径1.5cmの丸竹
        貫にSFN25同等以上の釘で打ち付ける → 38のステンレススクリュー釘で、各貫に2箇所ずつ固定
『小舞竹』『荒壁土』『中塗り土』 これはほぼ仕様どおり
『壁厚』 7cm以上 → 8~9cm

という、特に意識したわけではないのですが、基準から見ると随分なオーバースペックなわけです。
ただ、法律は法律なので、いくらオーバースペックとはいっても1.5倍を超える壁倍率を自分で設定できるわけではないのですが(汗)
まあ、地震の時にはその分の働きをしてくれるかもしれません。

オーバースペックといって、特に目立つ部が二つあります。
一つは貫の厚さで、基準の2倍ですね。
まあでも、5分厚の貫というのはいくらなんでも薄すぎ、最低でも7分、古民家の場合は柱も太いから1寸の貫くらいはごく当たり前です。

もう一つは間渡し竹と貫を結ぶ釘の仕様。
多分これが江戸時代に比べて現代が大きなアドバンテージを持っている部分です。
古民家の間渡し竹というのは、残念ながらあまりちゃんと貫とは固定されていません。
固定のための釘が細かったり短かったり弱かったり錆びていたりして、固定が非常に弱いです。
多分、鉄が貴重な時代だったから、仕方が無いのでしょうけれど。

現代は釘くらい安く手にはいるので、ケチらずに使いましょう。
まずはステンレス釘です。
これは、鉄釘だと後から錆が壁の表面まで浮いてくる可能性があるためです。
そして、ステンレス釘は抜けやすい(鉄釘は錆びることによって固着するから)ので、スクリュー釘を選択します。
長さは32か38が適当です。
打つ前にドリルで間渡し竹に下穴をあけられるのも、現代の有利な点です。
こうやって、釘をケチらずに、間渡し竹と貫の交点を2本ずつの釘で固定すれば、江戸時代の人が泣いて喜ぶ頑丈な間渡し竹を施工できます。

個人的な解釈ですが、僕は強固な土壁を作るために貫と間渡し竹が頑丈であることが何より重要ではないかと考えています。
貫と間渡し竹が弱いところに、いかに上手に小舞を掻いて土壁をしっかり塗っても、やっぱりへにゃへにゃになっちゃいます。
そういう駄目な土壁は解体の際にいくつか壊しました。
駄目になった原因は雨漏りで小舞が腐ったか、あるいは前述のように釘が弱かったことです。

あと、もう一つ付け加えるのであれば、小舞の間隔は広すぎても狭すぎても駄目です。
広すぎると壁が塗れません。
狭すぎると、塗れはするのですが、弱くなります。
以前にあったEディフェンスの実験では、今回紹介した公示どおりに狭い間隔で小舞を掻いた建物を揺らしたとき、土壁が表と裏でばらばらに崩れてしまったことがありました。
まるで魚の三枚卸のように、小舞だけを残して。
これは小舞の間隔が狭くて、表塗りのときに十分に反対側に土をはみ出させることが出来ず、裏撫でがちゃんと出来なかったためです。
土壁そのものは仕様どおりで頑丈であっても、表面と裏面が上手く結着し、一体化できなかったわけです。
なので、4.5cm以下という言葉を文字通り解釈せずに(狭くても大丈夫と思わずに)、4.5cmぴったりを目指して掻くのが良いと思います。
ちょうど指二本がギリギリ入るくらいの間隔です。

という、今回ご紹介したことを守っていただければ、壁倍率1.5倍の程よい耐力壁が作れると思います。
耐力壁はバランスが大切ですので、きちんとした知識と良識を持っている建築士さんのアドバイスを得ながら配置を考えてくださいね。
資格を振りかざすだけの人とか、不安を煽るだけの人は駄目です。

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最後に、素人大工さんのブログでも最近荒壁塗り作業に入ったようです。
ぜひご訪問ください。

土壁06:初めての土壁塗り(2017/01/24)

リンクを貼っておきます☆



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なぜ断熱欠損は発生するのか?③施工後に起こること - 2017.01.25 Wed

断熱欠損について最終回です。
今日は断熱気密の施工後に起こること。

僕は業界人ではないので詳しくは知りませんが、もしかしたらこれは業界人はあまり言わないことかもしれません。
言いたくないことかもしれません。
業界に無関係だから言えることかもしれません(推測)。

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ちゃんと断熱を施工したのに、それでも断熱欠損が発生するとすれば、それは他の職方が原因でしょうね。
特に、天井裏にグラスウールの断熱をした場合。
グラスウール施工後、竣工までの間に天井裏に入るのは電気屋さんとダクト屋さんです。
これらの職方が仕事をするためには、いったんグラスウールをどかす必要があります。
どかしたあとにきちんと戻してくれるでしょうか?
あるいは、新しく入れた機器や配線やダクトに応じて、適切にグラスウールを切り欠いて納めてくれるでしょうか?
ちょっと疑問です。

というのも、まず昨日一昨日の記事で書いたように、大工や現場監督や設計士でさえ断熱気密不良による結露の仕組みをちゃんと理解していない可能性があります。
ならば、電気屋さんダクト屋さんならばなおさらでしょう。

さらに、屋根裏というのは暗い・狭い・暑い・埃っぽい、という人間にとって嫌な条件が揃っています。
通常の人間ならば「こんなところ、早く出たい」と思うのが当然の場所です。
僕は旧宅で10月の夕方6時くらいに屋根裏に上ったことがありますが、それでも暑くて大変な思いをしました。
これが真夏の昼間だったらと思うと、恐ろしいです。

ただでさえ、暗い場所というのはうっかり忘れやすいですし。
何箇所も施工しているうちに、うっかりグラスウールをちゃんと戻さなかった箇所が出ることも十分にあります。

では、現場監督がそれら職方の仕事が終わったあとに断熱をチェックするかというと、それも無いでしょう。
電気機器やダクトがきちんと稼動した時点で職方の仕事は終わりだからです。

と、僕の推測だけで誤った情報をお届けしてもいけないので、業界人でもある親友の侍(工務店)に電話して聞いてみる。
野「僕の推測だけどさ。断熱施工したあとに電気屋さんやダクト屋さんが断熱欠損を起こしちゃうってことがあるんじゃないかな?」
侍「あー。それ。あるある!!」
というお返事でした。

侍のところはそういうリスクを避けるためもあってSWのフランチャイズをやっていますし、SW工法を選ばないお客さんには吹き付け断熱か屋根断熱を選択してもらっています。

もう一つ、竣工後の話ですが、ありえる話が欠陥住宅診断の人々。
断熱欠損による結露の原理を理解していなければ、彼らもその原因となりかねません。

ちょっと派生すると、欠陥住宅診断という仕事は、屋根や天井裏や床下など、家主の目の届かないところに入りますので、たとえばわざと瓦をずらしてその状態を撮影し、屋根修理の仕事を取ったりと、そういう事例も聞きます。
少なくとも飛び込みの営業だけは相手にしないほうが良いでしょう。
飛び込みで営業に来た場合は、冷静になってその場で契約せず、施工してくれたHMや工務店に相談しましょう。
どの職方に限らず、飛び込み営業には注意してください。

話を戻します。
竣工後の断熱欠損の可能性はあと2つ。
一つは野生動物です。
古い住宅ならば屋根裏に何かが入ることもあるので、悪さされるかもしれません。
最後の一つは地震です。
これはとくに断熱壁の場合ですが、自身によって防湿シートに隙間が出来る可能性もあります。
実は僕はこれが怖くて断熱壁を作るのをやめました。

僕の知っていることは以上です。

この話、業界の人はしたくないですよね。
こういうのが公になると、電気屋さんもダクト屋さんも仕事しにくくなるし、それ以上に大変なのは現場監督。
職方が天井裏に入るたびにチェックしなければなりません。

まあ、幸いなことに、最近はグラスウールの天井断熱というのも減ってきましたので、そういう苦労も減ろうかとは思います。


今回の記事は素人の憶測込みですので、その辺をご了承ください。
いい加減な記事にならないように、一応ウラは取りました。



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なぜ断熱欠損は発生するのか?②施工の手間と費用 - 2017.01.24 Tue

昨日の記事の続きです。
断熱欠損が発生する理由について、昨日の記事では断熱施工の仕方までで終わってしまいました。

先に断っておきますが、僕が前回今回で書いている施工法はあくまで素人の施主施工や、古民家の既存の床組みを残したままでの施工法です。
現在の新築やリフォームの施工法から見ると、一昔も二昔も古いやり方です。

最近は、大手ハウスメーカーのみならず、中小の工務店も勉強熱心なところはSW工法などのフランチャイズになっていますので、かなりパネル工法が浸透していると考えられます。
なので、それら確実な断熱気密ができるパネル工法が普及する中で、「どうしてこれまでの物件は断熱欠損が発生しやすかったのか?」という問いになります。
正確に言えば。

そして前述のように、施主施工や古民家の床組みを生かした再生の場合は、やはり「現場の努力」での断熱気密になります。

タイトルにあるとおり、断熱欠損が発生してしまう理由は「施工の手間と費用」に尽きます。
もう二つ加えると「意識とモラル」の話でもあります。

施工の手間としては、昨日の記事で説明したとおり。

たとえば、床組みであればレベルを取りながら大引→根太と施工して、あとは荒床を張れば「フローリングも畳も御座れ」という状態。
ここで、断熱気密施工をしようと思えば、工程としては根太と荒床の間にやる必要が出てきます。
結構な手間と労力がかかります。

僕はこの間の週末に10畳間の断熱施工をしていたのですが、特に昨日の記事でも紹介したような古い床組みを生かした施工の場合は、断熱にとんでもない手間と時間がかかります。
10畳間で丸2日くらいかかります。

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根太と根太の間隔を測って、大体そこに+2ミリくらいの幅で押出法ポリスチレンフォームを切り出してはめ込みます。
+2ミリくらいが最適です。
小さすぎるのは論外ですし、ピッタリサイズは結構スカスカになります。
少し大きめのを内装バールとゴムハンマーなどを使いながら入れるからこそ、隙間無く入ります。
その作業を延々とやっていきます。
そして、断熱材を入れる箇所がいびつな形をしていることも多いですので、そのつど微調整をします。
それが終わったらウレタンフォームとコーキング。
とにかく大変で、たった10畳で丸二日間かかります。

この作業、いつもやっていて思うのですが、職人によっては手を抜く人も居るでしょうね。
あるいは、工期や費用の問題から、丁寧な施工が出来なかったり。
僕はお金は無いけれども時間はある素人の施主施工ですので、自分の納得いくまで手間をかけられます。
そういう部分では圧倒的にプロよりも素人のほうが有利です。
必要なのは技術ではなく手間と時間なのですから。

特に、施工後は見えなくなる箇所ですから、手の抜きようもあります。
施主の意識としても、施工者の意識としても仕上がりのフローリングなどは気にしても、その下地の断熱までは気にしないでしょう。
ましてや断熱欠損が結露を招くという認識もありません。
その断熱欠損が原因で不具合が出るとしても、何年も後の話です。

という、よほどの手間と費用と意識とモラルが無ければ、手の抜きようがある部分が断熱施工なのです。
そして、現場の知識や認識としても、「断熱欠損=結露」という認識はあまり無いのではないでしょうか。
「断熱欠損=ちょっと寒い」程度で、あまりシビアに捉えられていないように思います。

そしてもう一つは費用です。
たとえば前述の僕が今やっている10畳間の場合、断熱材の材料費が2万円の、手間賃が3.6万円(1人工1.8万円として)の、合計で5.6万円がかかる計算になります。
これは断熱材の施工のみの費用となりますので、それ以外にも床組みや荒床や仕上げの費用がかかります。
すると、「ここの断熱材施工は1人工でやろうか」となるのは当然の話です。
そういう風にしてどこかしらの手間賃を削らないと、価格競争についていけないからです。
ならば施主が気にする仕上げや、不陸や床鳴りの原因となる床組みではなく、断熱材の施工手間を減らすのは当然の流れです。
(多少、短絡的な書き方をしていますが・・・)
結果として、通常の倍のスピードで急いで断熱材を入れたけれども、断熱欠損のある床が出来ます。

これって防ぎようがないと思うんですよ。
防げるとすれば、工期と費用が十分にあることが大前提で。
なおかつ、現場監督の意識が高いか、施主の意識が高くて毎日現場に見に行っているか。
そうでなければチェックする間もなく、床も壁も塞がれて見えなくなってしまいます。

そういうわけなので、現場の諸事情に左右されずに施工精度を確保できるパネル工法が普及するのは当たり前のこととなります。

我が家の場合は、一昨日の記事のように、僕自身のうっかりで天井裏が断熱欠損による結露をしていました。
たまたま施主施工で、たまたま広くて歩き回れる小屋裏で、たまたま小屋裏に上る用事があったので発見してすぐに対処できました。
これが通常の物件の場合はいつまでも発見されずに、深刻になってから天井の染みなどの不具合として発見されたことでしょう。

断熱気密を完璧にやれば結露は発生しません。
しかし、断熱気密を完璧にやるのは、かなり難しいことです。

工期と費用が十分にあって、現場監督と職人に意識とモラルがあって、初めて実現することです。
結果、断熱欠損がある物件が世の中にはあり、それが「断熱材を入れると結露する」という誤った認識に繋がっていると思います。

さて、断熱気密を完璧に施工すればそれで良いのでしょうか?
実は断熱欠損が発生する要因がもう一つあるのです。
それは明日の記事で紹介します。



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なぜ断熱欠損は発生するのか?①施工の仕方 - 2017.01.23 Mon

昨日の記事の続きです。

昨日の記事でご紹介した、断熱欠損による結露。
壁内結露の場合も同じ理屈ですが、発生する原因は不十分な気密か、断熱欠損です。
今日からのシリーズでそれがなぜ発生するのかを説明します。

そのまえに、気密断熱施工のやり方から。

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まずは、天井の場合です。
天井板に防湿シートを敷きまして、その重なり部分に気密テープを貼ります。
で、本来は防湿シートの端も気密テープで留めるのがいいのですが、我が家のように古民家の場合は天井裏が煤だらけでテープが効きません。
なので、うちの場合はタッカーで留めました。
どの道しっかりやれば問題ありません。

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そして、グラスウールを敷き詰めます。
グラスウールは隙間があってもいけないし、逆に狭いところに押し込んでもいけないので、半端なところは丁寧に切ってはめ込みます。
グラスウールは切りづらく、チクチクするので嫌な作業です。
我が家の場合は縦横に交差させて10Kで100mm厚のグラスウールを2重に敷き詰めました。

ここまでが天井断熱です。
で、天井断熱というのは安くて、施工もやりやすい部類に入ります。
これでも。

問題は床と壁です。

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床はこのように新たに大引と根太を入れた箇所はまだ作りやすいです。
ちゃんとしたピッチで根太が入っているので、そこにはめ込むだけですから。
押出法ポリスチレンフォームを切ってはめ込みます。

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このように古材の床組みを再利用する場合は何倍も大変です。
古材の床組みはまっすぐな材はあまり無く、耳付きの半割材である場合もあります。

(この箇所は奥半分は床組みが消滅していたので、新たにネダレスで作りました。ハイブリッドな床です)

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押出法ポリスチレンフォームは柔軟性と加工性に欠ける素材なので、きっちりはめ込めない隙間にはこのようにスプレー式のウレタンフォームを充填します。

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ウレタンフォームというのがまた曲者で、これも施工性が物凄く悪いです。
充填したあとに1時間くらいかけて膨らむので、半分以上を切り落とすことになります。
でも、ちゃんと充填されないと嫌なので、無駄になることを承知でそれなりにたくさん充填するしかありません。

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で、硬化後に余計な部分を切り落とします。

ウレタンフォームの欠点は
①値段が高い
②開封したら速やかに1本を使い切らないといけない
③特にこのような使い方の場合、半分以上が無駄になる
④硬化が遅い(完全硬化は2時間は見たほうがよい)
⑤寒いときは、ゆっくりと温めてから使わなければならない
⑥硬化前の修正が出来ない(触ってはいけない)
⑦関係ないところに付着する
⑧ノズルをちょっと引いただけで、景気よく噴出して無駄になる
など、物凄くたくさんあります。
これだけの欠点がありながら、必要なので嫌々使います。

さらに、ウレタンフォームを切り落としたあとに、それでもまだ残っている数ミリの隙間をコーキングで充填します。
コーキングも施工性は悪いです。

ここまでやれば断熱と気密は完了です。

念のために書きますが、押出法ポリスチレンフォームを断熱材として使う場合は、防湿シートはどちらかというと不要です。
押出法ポリスチレンフォームはきわめて吸水しづらいということが実験からも明らかになっており、グラスウールなどの繊維性の断熱材とは性質が異なるからです。

このあたり押出法ポリスチレンフォームを使った場合の防湿シートの必要性に関しては、説明するとそれだけで一記事分のボリュウムになってしまうし、込み入った話になってしまうので今回はこの程度に留めます。
読者さんのご希望があれば書きます。

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我が家はごく一部の小壁のみ断熱壁を作りましたが、基本的にはこれは床断熱と変わりません。
根太が間柱になったと思ってもらえればいいです。
同じように押出法ポリスチレンフォームをはめ込んで、隙間を埋めます。

本当はここから施工の問題点まで書こうと思ったのですが、ここまでで結構なボリュウムになってしまいました。
今回は施工の仕方だけにして、続きは次回にします。

次回は
「なぜ断熱欠損は発生するのか?②施工の手間と費用」
です。



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天井裏に結露を発見 - 2017.01.22 Sun

ちょっと前に書きました断熱材と結露にする記事の続きです。

僕の断熱材と結露に関する考えはこちらのとおりです。
断熱材では家の寿命は縮まらない - 2017.01.09 Mon

経緯を説明しますと、欠陥建築(欠陥住宅)バスターズという業者さんが別のハンドルネームで書いているブログが日本ブログ村の古民家再生ランキングに参加していまして、そちらで自分の物件を売るために、自分の物件以外の工法(断熱材の施工、素人の施主施工)を否定しまくっています。

僕はもう相手したくないし、うちの読者さんも「相手にしないで」という話なのですが、あちらは相変わらずいい加減な情報を発信していますし、こちらでも興味深い現象が新たに見つかったので記事にします。

僕は素人ですし、ハーバード大学院を出た秀才(笑)でもないので、自分のことを一切権威付けできません。
理論と証拠だけで説明します。

あ、ついでに書いておきますと、先方の古民家の耐震補強に関する考え方は僕とほぼ同じで、賛同します。
古民家は免震と制震で持たせるのが良いと思います。
我が家の場合はそのために、構造設計を専門にする建築士の方に壁量の計算をしていただいて、新たにたくさんの土壁を作りました。
先方は僕のブログをあまり読んでいないらしく「素人が適当にやってる」みたいに書いていますが、ちゃんと大切な箇所は専門家を入れていますよ。

僕の考える古民家に相応しい耐力壁は土壁です。
壁倍率は従来0.5倍であったのが、近年になって0.5~1.5倍に見直されました。
ちゃんと作った土壁ならば耐力壁としての強度があるということが評価されたわけです。
強度のある土壁がどういうものかは、またいつか説明します。
構造合板は壁倍率が2.5倍なので、ちょっと僕の感覚では強すぎるようにも思いますが、それは人それぞれでしょう。
少なくとも僕は、古民家にベニヤ板を張って黒ペンキを塗っておしまいのような工法はやりません。
材料作りから含めて、丸2年かけて土壁を作りました。

ごめんなさい。
話が逸れました。
今日の本題は「断熱と結露」でしたね。

先日、1月17日ですが、別の用事で小屋裏に上ったときに、こんなものを発見してしまったのです。

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これです。

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もう少しアップで、フラッシュを焚いて。

結露ですね。

ちょうど、断熱材と断熱材との間、防湿シートの室内側が結露しています。

天井断熱3
以前に書いた模式図ですと、このパターンですね。
(茶色が天井板、赤が防湿シート、黄色が断熱材、青が結露です。念のため)
室内側の暖かく湿った空気が天井板を通り抜けて、防湿シート越しに冷たい空気に触れたので結露しました。
断熱欠損していたためです。

なぜ、ここが断熱欠損していたかといいますと、手前側がユニットバス天井、奥側が洗面所天井で、2つの天井の境界となる段差となる場所だったからです。
まあつまり、施工者である僕のうっかりですね。

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小屋裏にあった予備の断熱材を被せて、断熱欠損を塞いでおきました。
これで大丈夫のはずです。

そして昨日。
1月21日。

まだ4日しか経っていませんが、小屋裏に上る用事があったので、ついでにその箇所を見に行きました。
ぺろっと、断熱材をめくって。

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はい、乾きました。

正直、僕自身もびっくりしました。
まだ4日しか経っていないのに、もう乾いているなんて。

断熱材で覆って、断熱欠損をなくしたら、結露はどこかへ行ってしまいました。
おそらく蒸発しました。

もっと正確に言うと、該当箇所を断熱したことによって温度が上がり、結露は蒸発して、いったんはすぐ下に接している天井板に吸湿されたはずです。
そして、天井板はその水分を室内側に放湿してこれもまた乾くことでしょう。
ちなみにここは洗面所なので、薪ストーブの熱はほぼ来ません。
洗面所という用途のとおり、家の中では湿っぽく、家族が使うときにだけ石油ヒーターを20℃程度で焚く場所です。
決して薪ストーブエリアのような高温で乾燥している箇所ではありません。
それでもこれだけ早く乾きました。

今日お伝えしたかった続報は以上です。
気密と断熱を完璧にやれば結露は発生しません。
断熱欠損による結露も断熱をやり直せば、すぐに消滅しました。

僕の考える理論も、証拠もこのとおりです。

欠陥住宅バスターズさん。
あなたの言っていることは理論としては不十分で、矛盾していて、すっ飛ばしています。
そして、いつも証拠がありません。
僕がいつも示すような写真や具体的な数値もありません。
あなたの言っていることは経験論ですらなく、単なる根拠のない経験談です。
説得力がありません。
(繰り返しますが、耐震性については同意見なので、僕はあなたの考えと経験談に賛成します)

僕のような素人ですら理論と証拠を示しています。
あなたは専門家を自称するのですから、もっと責任をもった情報を発信したらいかがですか?

僕の主張は根拠や証拠があるので、反論も反証も可能です。
あなたの主張には根拠や証拠が無いので、反論も反証も不可能です。

反論・反証できないものを「科学」とは呼びません。



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プロフィール

野人

Author:野人
こんにちは。
野人っていいます。
前職はラーメン屋台を経営していました。

伊那谷にて2012年暮れに築150年の古民家を購入し、3年4ヶ月かけて最低限の面積を再生して、2016年3月末に移住しました。
全ての再生は10年計画なので、まだまだ続きます。

もちろんプロの方々にもお世話になりますが、お金があまり無いので、なるべく低予算と自力での再生を頑張っています。

ブログの記事数は膨大なので、手っ取り早く内容を知りたいという方はこちらのスライドショーをご覧ください。
ブログの内容を25分に凝縮しました。
https://www.youtube.com/watch?v=ZpFnv9gLmJM

自分が古民家再生をする上で、他の人のブログを参考にしたり、あるいはHPから知識を得たり、ネット社会には本当にお世話になっています。
なので、自分自身も再生の過程を発信することで、少しでもネット社会から与えてもらったものに対して恩返しできればと思っています。

皆様からいただけるコメントに励まされ、またブログを通じて広がってゆく人の輪がとても楽しみです。

当ブログはリンクフリーですので、ご自由にお使いください♪

ご用件のある方は
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あるいは
090-1707-2071
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