topimage

2017-06

茅葺屋根の維持について真剣に考えてみた(2012年9月下旬) - 2012.12.08 Sat

大工のIさんに「再生可能」とのお墨付きをいただいて、いよいよ「どのように直すか」という検討に入ってゆきます。
といっても、現在に至るまでのその検討の道程というのは、かなり曲がりくねっていて、説明するのも大変ですが。
自分の思い出せる範囲で、順を追ってゆきましょう。

まず自分が考えたのは、当然ながら屋根の補修でした。
他の部分は百歩譲って我慢できるとしても、屋根だけは無理ですね。
あの雨漏りは我慢の範疇ではないですし、何より構造体へのダメージが大きすぎます。
他の部分を後回しにしてでも、真っ先に補修すべき箇所です。

では、どうするか??
茅葺を維持するのか?他の屋根に葺き替えるのか?

実を言うと、自分としてはそこまで茅葺屋根へのこだわりはありませんでした。
とにかく維持が大変なものというイメージが強かったためです。
以前に物件に求める条件の中に「出来れば茅葺」という感じに挙げたのは、ある種の憧れです。
「茅葺が残っているくらい、昔ながらの物件がいいなあ」
なんて思っていたら、本当に茅葺のままの物件が見つかってしまいましたが(汗)

そしたらですね、茅葺屋根にも恋しちゃったわけなんです。
なんだからしい!!
60センチ近くありそうな厚み!!
茅葺独特の長い軒のお陰で、手に届きそうな高さまで茅葺がきています。
惚れてしまいました!!
でもなあ。維持するのはなあ。

茅葺屋根について、周囲の人々の感想。

茅葺の上からトタンを被せた古民家に住んでいるM君の感想。
「うちの集落はみんなトタンを被せてるから、茅葺のままってのはよく分からないなあ。うちもそうだけど、暖気が上に抜けちゃうから寒いですよ」

同じく、昔茅葺の上からトタンを被せた古民家に住んでいた兄貴の感想。
「ありゃ維持が大変だ」

大工の侍の感想。
侍「茅はやったことがないな。葺き替えにいくらくらいかかるの?」
僕「65坪だから多分700万円くらい」
侍「あはは。そりゃ道楽だな」

皆さんなかなか的確なアドバイスです。

さて、僕なりに調べたことを載せましょう。

【茅葺の長所】
・究極のエコ素材(もちろんケミカルフリーw)
・夏はすごく涼しい
・雨音がほぼかき消される
・かっこいい(これは主観です)
・通気性がいいから、屋根裏が結露する心配がない

【茅葺の短所】
・冬が激寒。通気性がよすぎて、暖気がどんどん抜けていく。
・価格が高い。先ほど書いたように、65坪だと職人さんに頼めば700万円くらいと推定される。この辺りは昔の結(ゆい)で協力し合っていた頃とは事情が違いすぎる。
・耐久性が無い。茅葺が長持ちするのは囲炉裏の熱で乾燥し、煙で燻されるからで。そうすれば5~60年くらいはもつ(上手に差茅をした場合)とのことだが、日常的に火を炊かなければ耐久は半分以下の20年程度。ちなみにヨーロッパの茅葺は日本の半分の厚さで、2倍もつらしい。やっぱり日本の湿気って大変。
・現代は茅場が消滅してしまって、自給できない。

やっぱり短所の方が多くて、大変な感じですね。
普通に考えて、現代の生活で毎日囲炉裏で火を炊くわけには行きません。
そんな余裕もないし、煮炊き用の囲炉裏は薪を焚くので、家中が燻されてしまいます。
そうすればきっと我が家の子供は学校で「燻製ちゃん」なんてあだ名が付けられて、いじめられることでしょう。
なにより、普通の生活をしていても毎日の埃が気になるわが妻。
埃の上に、煤までもが積もるなんていったら、きっと彼女は1日中部屋の掃除をしてしまう!!

僕一人なら平気でも、家族は大変な思いをするだろうなあ。

茅葺屋根については散々ネットで勉強して、youtubeなんかで葺き替えの動画を見たりして、勉強しましたが、結局のところ維持するのは諦めました。

普通に考えて最初の葺き替えで700万。
以後20年おきに700万円で葺き替えるなんて、侍の言うように道楽になってしまいます。

購入代金はさておき、リフォームは屋根と床だけで1000万円を予算として考えています。
もっと現実的な方法で考えていこう。

そう考えながら、リフォームの第一の課題である屋根問題が始まりました。

古民家再生のブログが集まっています。
僕のよりも、もっと参考になるブログがたくさん集まっているので、覗いてみてください。
クリックしてくださる皆さんに感謝です。

にほんブログ村 住まいブログ 古民家再生へ
にほんブログ村
スポンサーサイト

本命はステンレスかガルバリウムで考えてみる - 2012.12.09 Sun

屋根の補修ですが、素人の僕が知っているのは茅葺屋根の上からトタンを被せる方法。
M君の家も、兄貴の家も、真田で住んでいた古民家もこの方法でした。

ただし調べてみるとこの方法も今はほとんど無いんですね。
理由は単純で、茅葺屋根の家がほとんど残っていないから。
これは茅葺屋根を金属屋根に変える方法としては昔は主流で、茅葺職人がいっせいにトタン葺職人に鞍替えして、意匠を凝らしていたと以前も書きましたが、それも昔の話。
現代のように茅葺屋敷がトタンに代わり、あるいは瓦や金属屋根に葺き替え、あるいは取り壊されてしまってからは、ほとんど失われた手法のようになっています。
少なくともネットで調べても出てきませんし、ここまで連絡を取ってきた板金屋さんも扱っていません。
ちょうど年齢的・年代的考えても、トタン屋根を被せる職人さんは引退してしまったのではないでしょうか。
と、これは僕の推測も含みますが。

もちろんちゃんと探せばあるのでしょうが、主流ではないことは確かです。

念のためM君とかに聞いてみても、「やっているところはあるけれど、暖気が上から抜けてしまいますよ」とのことでした。
侍も「うちじゃあ、やったことないな」ってことでした。

ではやっぱり金属屋根に葺き替えか。
そして調べてみると、すでにトタン屋根そのものがほとんど使われなくなっているんですね。
建築なんて疎かったから、ちっとも知りませんでした。
現在の金属屋根の主流はガルバリウムということです。

ふーん。
アルミニウムと亜鉛合金のめっき鋼板か。
名前はかっこいいな。
モビルスーツでも作れそうですね♪
(それはガンダリウムw)

一方、ステンレスはまあその名のとおり、錆び難い合金の総称で、鋼にニッケルやらクロムやら混ぜているもの。
個人的には大好きです♪
というのも、屋台をやっていたときの厨房が壁から天井からオールステンレスで。
磁石のまったく付かないやつだったから、錆びずにいつでもピカピカだったんですよ。
なんだか紛い物のステンレスも多い中で、高級のステンはいい!!って日々実感しながら仕事していました。
だから、ステンレスの話が出たときには「とにかく丈夫!」ってのは分かりました。
(でも実際のところ屋根用に使われるステンレスもピンキリだから気をつけないといけない。18・8ステンレスなら大丈夫??)

ステンレスなら基本的にメンテナンスフリー。
塗り替えも60年後くらい、僕一代くらいは何とかなりそうです。
一方で、ガルバリウムなら最初の20年で一度塗り替え、それからは10年ごとくらいの塗装になるそうです。
これは屋根面積が広く、勾配のきつい古民家ではかなり費用がかかります。
ステンレスとガルバリウムの値段差は1.5倍程度ということなので(侍談)、可能なら最初からステンレスを乗せた方がいいでしょう。
(しかしガルバリウムも色々な種類があって、現在のは改良されているので30年くらいは無塗装でもいけるそうです)

いやいや。
今に至るまで屋根の話は調べるほどにいろんな話が出てきますよ。
でも結局のところ、現在使われている素材が何十年持つかなんて、実際にやってみないとわからないようです。
気候や風土にも左右されるし、ステンレスだって貰い錆とかあるし・・・。

では金属屋根の長所と短所をまとめてみましょう。

【長所】
①耐久性がある。
素材にもより、そこそこですが。少なくとも、スレート(セメントに玄昌石の石粉を混入して高圧プレス加工したもので、7年ごとくらいの塗り替えが必要)よりは耐久性があると思われます。

②加工しやすいので、いろんな形に対応できる。

③瓦より安い。

④軽い。

【短所】
①熱を帯びやすく、熱くなる。
これはM君の家でも感じたことです。「夏を旨とすべし」という日本古来の建物とは逆になりますね。

②雨音がうるさい
これも金属なら仕方の無いことです。特に天井板をつけずに勾配天井にした場合は結構な雨音になると思われます。
それを防ぐためには勾配に吸音材を挟むか、断熱材でもある程度吸音してくれるんだろうか・・・。

③やり方によっては安っぽくなる
ガルバでもステンでもやり方次第では、安っぽいトタンみたいになってしまいます。
あまり書いてもなんだけれども、11月にやっていたビフォアアフターの事例ではガルバリウムの茶色っぽい屋根だったけれども、すごく変だったな。
のっぺりしていて。
そこだけCGのように浮いて見えました。


この頃は「借金をしてでもソーラーパネルを乗せたい」と考えていたので、特にメンテナンス性を最重要視していました。

さてさて、屋根をどうするか考えていったわけでございますが、調べていくうちに金属屋根の思わぬ弱点が分かってきたのですよ。
(つづく)


古民家再生のブログが集まっています。
僕のよりも、もっと参考になるブログがたくさん集まっているので、覗いてみてください。
クリックしてくださる皆さんに感謝です。

にほんブログ村 住まいブログ 古民家再生へ
にほんブログ村

瓦屋根を検討してみる(2012年9月下旬) - 2012.12.11 Tue

さて、屋根の話の続きです。

この頃はネットで片っ端から屋根のリフォームについて調べていました。
その中でたまたまたどり着いたのが、屋根のこと専門ではないけれども、「木の家・古川設計室」のホームページ。
http://www.sumai-f.com/index.htm

その中の「こんなもの要らない」「こんなものほしい」という連載コラムが面白くて面白くて!!
以前にたまたま読んだ宮脇壇という人の建築に関する本も面白かったけれども、それに通じる部分があります。
(宮脇壇は僕がたまたま読んだその本を遺作にして、1998年の惜しくも亡くなっている)
なんというか、みんなが薄々気づいていることとか、言いにくいこととかをはっきりと言っちゃってる辺りが楽しいです。
ときどき偏っていたり、根拠が不明なこともあるけれど・・・。
しかし、この古川先生の国産の無垢材や伝統工法を愛する気持ちは十二分に伝わってきますし、共感できます。

その古川先生がコラムで勧めているのが「いぶし瓦」。
曰く、金属屋根は金属板1枚に少しでも傷がつけば、1枚丸ごと交換になる。
曰く、瓦は台風で仮に200枚飛んでも、修理は手間賃込みで10万円程度。2時間で終わる。
曰く、金属屋根は高温になり、内外の温度差で結露する。
曰く、瓦は自然素材のため、最後は土に還せる。
曰く、金属屋根は軽いため、台風で丸ごと飛ばされる。

最後のが結構効きましたね。
金属屋根のデメリットは以前も書いたとおり、一応把握していましたが、そうか強風で飛ばされるのか。
確かにアメリカだかどこかのニュース映像で、家の屋根が丸ごと紙切れのように飛ばされる映像はたまに見かけます。
ふむふむ。怖いな。

この頃の僕は、このように新しい発見があるとすかさず侍に電話して聞いていました。
(というか今も結構そうです。奥さんごめんなさい)

屋根吹き替えだけどさ、瓦なんてどう?と聞くと、
「確かに瓦は究極のメンテナンスフリーだよな(塗り替え不要って意味で)。でも地震に弱くなるけど、大丈夫か?」
とのことでした。
なに??
なるほど。
考えてみれば当然のこと、重い瓦が乗ると重心が高くなって、揺れには弱くなります。

いや、でも。
そこは素人の浅はかさ。
瓦が重いってのが、そこまでぴんと来んのです。理屈は分かってもね。
瓦と、金属屋根と、茅葺で重さはどのくらい違うのだろう。
茅葺って水を含んだら、瓦より重くなるのだろうか?
なんてことを考えながら、調べてみると、ありました。
『重要文化財(建造物)基礎診断実施要領』というところに掲載されていました。
http://www.bunka.go.jp/1hogo/pdf/kokko_hojyo_taisin13.pdf

これによると、床面積当たりの基準屋根荷重Wr(単位:N/㎡)は
本瓦で3,300
金属葺で1,000
茅葺で1,500
ということです。
つまりは本瓦は茅葺に比べて約2倍、金属屋根に比べて約3倍の負荷を構造体に対してかけると言えます。

この数字自体も面白いのが、意外な発見として面白いのが金属屋根よりも茅葺の方が重いということ。
やっぱりあれだけの厚さがあるもんなあ。
多分この数字は乾燥状態で、水を含んだときはもっと重くなるんだろうな(根拠は無い)。

じゃあいったいどうするの??
単純な話、地震に強い金属屋根か、風に強い瓦か。
無理やり単純化すると、このような2択になります。
値段は、侍曰く、本瓦にしてもステンレス葺と同じくらいに納まるそう。

このときは何となくの感覚で、金属屋根かな、なんて思いました。
理由は2つ。
一つはあれだけ大きい古民家の屋根(2階建ての家の屋根より高い)がすべて瓦になったら、かなり重々しいというか、重苦しいというか、重厚感が出るというか。
古民家ならではの素朴な感じではなくなってしまうと思うから。

もう一つは古民家の屋根が風で丸ごと飛ばされるというのが想像つかなかったから。
これは長野県という場所柄もあると思います。

僕の生まれ育った愛知県では、そりゃ台風が来るたびに結構な騒ぎになりました。
大雨、高波、暴風。
なのに長野県に来てからは・・・、台風が来るたびに実家にいるときのような感覚で警戒はするのですが、毎回肩透かしにあっています。
雨は降るにせよ、あの荒れ狂ったような暴風は吹きません。
やっぱり山に囲まれているからでしょうね。

僕の住んでいる伊那谷も、もちろん谷に沿って吹く南北の風はありますが、やはり台風の風をもろに受けるような場所ではありません。
だから、台風による風の被害も想像しにくいのでしょう。

一方、地震はそれこそどこでもあるしなあ。
この伊那谷、上伊那地方にもいくつかの断層があります。
それに、地震によって古民家が全壊する姿は容易に想像できます。

いや、これは想像力の問題かもしれませんが。
想像力に限界がある以上、自分が想像できる方のリスクを重視するのは当然なわけで。

というわけで僕は、伊那谷には暴風が吹かないという独自の理論の元、やっぱり金属屋根かなあなんて考えるのでした。

(補足)
10月の末くらいに現在の住人とゆっくり話をする機会がありました。
そのときに屋根の話が出ましたが、「瓦だと梁が反る可能性がありますよ」とのことでした。
なるほど、軽い茅葺を前提に作られていますからね。
後づけですが、「やっぱり金属屋根でいいみたい」と思いました。

古民家再生のブログが集まっています。
僕のよりも、もっと参考になるブログがたくさん集まっているので、覗いてみてください。
クリックしてくださる皆さんに感謝です。

にほんブログ村 住まいブログ 古民家再生へ
にほんブログ村

「基礎」の基礎について調べる(2012年9月下旬) - 2012.12.14 Fri

このブログでは素人なりに建物の構造を調べ、書いていくわけですが、これは特に難しい問題ですね。
「基礎」
もちろん、何であっても素人が書くなんて難しいですよ。
きっと間違いや、いい加減な知識だらけです。
その中でも「基礎」は屋根や壁と違って普段は見えませんからね。

自分が住んでいる家の基礎は?
えーとえーと。
分かりません(汗)
というか、現在に至るまで、住んできたどの家の基礎も見たことがありません。
多分、今の家は独立基礎かな?どうかな?

古民家再生の本は10冊くらい読んでみましたが、どの本でも再生のときは屋根や壁や建具を取って、骨組みだけの状態にして、基礎をベタ基礎で作り直して、みたいな記述をしています。
ふーん。
ただしそんな風に再生した古民家は、坪単価100万程度かかっており、道楽の世界ですが!!
金に物言わせれば、たいていのことは出来るんですよ・・・(負け惜しみ)

とかく悪者扱いされる古民家の基礎。
さて、では古民家ではどのような基礎が使われているのでしょうか??

不勉強な頃の僕がおぼろげながらに知っていたのは、古民家の柱は石の上に立っていること。
ふーん。
よく分からない(汗)

で、勉強してみました。
まずは基礎の役割。
家の土台(柱を含む)を土の上に直接乗せると、当然土に触れている部分が風化して、傷む。
あるいは湿気で腐る。
あるいは土から上ってくるシロアリに食べられる。
だから、まずは土と木材が触れ合わないようにする。
これがそもそもの基礎の役割だそうです。
(いや、これって、ちょっと知ってる人から見たら「何をいまさら」程度の知識・・・)

だから一番素朴な昔ながらの基礎は、土の上に石を置いただけのもの。
この石を「束石」というらしいです。
で、束石の上に柱を乗せただけの基礎を「石場立て」というそうです。

でもその「石場立て」はまったく基礎と柱が緊結されておらず、極端な話、地震でも起きようものなら柱が束石からずれ落ちてしまう。
ということで、1本1本の柱に独立して緊結される基礎が作られたのです。
このような基礎を「独立基礎」と呼びます。

「独立基礎」はいわば「点」で建物を支えるため、地盤によっては、ある部分だけが沈む「不同沈下」が起きてしまう。
(ピサの斜塔が傾いているのもこのため)
なので、独立基礎の点と点をつなぐ「布基礎」というものができるようになった。
Foundation-M2325.jpg
↑これらしいです。(ウィキペディアから転載。著作権はOK)
基礎と基礎の間にも湿気防止のためにコンクリートを打つようです。

で、「布基礎」も「独立基礎」のような「点」ではないにせよ、「線」で荷重を支えているので、場合によってはやはり不同沈下してしまう。
そこで、建物面積全体で、「面」で支える「ベタ基礎」が出てきます。

というところまでが昔調べていたところで、石場立て<独立基礎<布基礎<ベタ基礎の順番に強度が増していくのだと思っていました。
しかし最近改めて調べてみると、少なくとも布基礎とベタ基礎の強度についてはケースバイケースな感じらしいです。
(ベタ基礎の方が安いから主流になりつつある?布基礎は3工程に分けるから大変?鉄筋コンクリート住宅は布基礎が主流?)
調べるほどにわけが分からない・・・。


侍がよく言う言葉を思い出します。

「建材や工法ってのもいろんな考え方があってさ、売る側はみんな『自分とこが一番』ってやるんだよ。で施工する側も『これが一番だと思う』って、選ぶ。そこから先はもう『信じる』しかないんだよな。それが正しかったかどうかの結果が出るまでに何十年もかかるんだから。そうなってくるとどの建材・工法が正しいなんて、ほとんど宗教みたいなもんだよ」

皆さん好き嫌いがあるでしょうが、僕はこの侍の言葉が大好きです。
自分の選んだ工法に対して、
「いや、これは暫定的な結論に過ぎない」
と疑い続けるのも自由。
「これを選んでしまったんだから、正しいと信じよう」
と信仰するのも自由。

ただ、
「これが唯一絶対の正しい答えなんだ。これが以外のものは間違っているんだ。科学的にもそのことは立証されているんだ」
なんて思ってしまったら最後。
無意識のうちに宗教に首まで漬かり切ってしまいます。
(話が逸れるけれども、僕は宗教も「選択的」に信仰すべきだと思っている。)


いやー。
随分、話が逸れてしまいましたね(汗)

では、貧弱な基礎の代名詞「石場立て」は本当にダメ基礎なのか?
次回はその辺りを検証していくことにしましょう。

古民家再生のブログが集まっています。
僕のよりも、もっと参考になるブログがたくさん集まっているので、覗いてみてください。
クリックしてくださる皆さんに感謝です。

にほんブログ村 住まいブログ 古民家再生へ
にほんブログ村

石場立ては本当に貧弱なのか??(2012年9月下旬) - 2012.12.18 Tue

石場立ては貧弱。
布基礎かベタ基礎ならばOK。
これが現在の建築の常識です。

この常識は真実なのでしょうか??
(あーあ。常識中の常識を疑うなんて、分が悪いな・・・)

前回も述べましたが、古民家にベタ基礎を打ち直すのは非常に大掛かりな作業となり、リフォーム総額としては新築をはるかに超えた金額になります。
では、お金がふんだんにあれば僕はベタ基礎を選択するでしょうか?
答えはなんと「NO」なのでございます!!

なぜかというと、ベタ基礎や布基礎の強度についてはもちろん認めるものの、必ずしも古民家との相性がいいとは思えないから。

以下、僕なりの考えをまとめます。

ベタ基礎や布基礎は家の土台と基礎がしっかり緊結される分、逆に言えば地震の揺れ(エネルギー)がもろに建物に伝わります。
だから、建物の構造に筋交いを入れたり、構造合板を入れたりして壁耐力を作るわけですね。
ここで2つ問題が。
一つは筋交いや構造合板を固定する金物が錆びるということ。これらは熱伝導が高いので結露しやすく、長い目で見ればいつかは錆びます。
もう一つは木材と金物で剛性が違いすぎるということ。一般に、合成の違うものが一体化していると、その繋ぎ目にエネルギーが集中しやすくなります。
(例えば、中学生のときの美術の授業で柔らかい石を使った彫刻をやりました。このとき誤って折れてしまった部分についてはアロンアルファでくっつけるのですが、すると今度は継ぎ目のすぐ隣辺りが折れやすくなります。僕は剛性が違うというのはこういうことだと理解しています。)

つまりはベタ基礎にして、耐力壁をしっかり作って、金物で固定してというのが現在の主流であり、建築基準法で定められている内容です。
「剛」構造。
頑丈にすることによって、建物は守られると。

一方、日本伝統工法は逆を行きます。緊結しない石場立ての基礎で、壁は土壁(壁耐力は0.5倍で、構造合板の4分の1程度)で、金物を使わずにホゾで固定して、場合によっては縄や枝で縛るだけで。
つまりは全体をしっかり固定せずに、ある程度動くような状態にしておくわけです。
日本伝統工法を支持する人たちはこのような建物を、「柔(やわら)」構造と呼びます。
頑丈さではなくしなやかさによって、地震のエネルギーを分散させて逃がすことによって、建物を守っているというのです。

さてさて。
「剛」構造と「柔」構造。
まったく逆のように見えますが、どちらが正しいのでしょうか?

意外かも知れませんが、現時点では僕は「剛」構造の方が理に適っていると思っています。
なぜならば「剛」構造は理論的に、現在の科学で説明しやすいから。
(むしろ科学的根拠に基づいて作られた構造なのですが・・・)
だから「柔」構造を批判する人たちが、「非科学的だ」とか、「主観的だ」とか、「情緒的な表現であって、根拠がない」という風に主張するのは理解できます。

しかししかし。
僕が最終的に支持するのは「柔」構造の方です。
あれあれ?
さっきと言ってることが矛盾してる・・・。

理由を説明します。
第一に、科学は万能ではないから。
飛行機がなぜ飛べるのか科学で説明できないからといって、人類が飛行機を「非科学的だ」と言って使用しなくなるわけではありません。
説明できなくても、「飛べている」という事実を優先しているわけです。
こういった問題には「現時点の科学では説明できない」ことと、「未来永劫人類の科学では説明できない」ことの2種類があると思いますが、いずれにせよ説明しきれないことは存在するわけで、すべてを科学で解明できると思うのは人類の驕りだと思います。
「柔」構造の建物を守る仕組みについては、仮に科学では説明できないからと言って全否定されるべきではないと僕は思います。

また、同じような理由ですが、「柔」構造がいくら非科学的とはいえ、現にうちの物件は150年間建っているわけです。
その間にはもちろんたくさんの地震があったわけですし、そりゃ阪神大震災並みの大地震が直撃したことは無いかも知れませんが、やはり150年も建っているというのはすごいことだと思います。
だから、今回の場合は科学的な裏づけよりも、実績を重視したいところです。

とまあ、色々と説明しましたが、皆さんお察しのとおり結局のところ「剛構造に変更するのは大変だし、変更したとしても古民家とは相性が悪そうだし、賛否両論ある中であえて大金を払って剛構造にするのもリスキーだしといった非常に人間的理由によって「柔」構造を選択しているわけですが。

うーん。
書けば書くほど難しい問題ですね(汗)
やっぱり科学が万能なわけがないし、「科学が万能だ」って信じるのは、こりゃもう宗教だし。
むー。

さて、石場立て問題に悩む僕のところに、もう一つ面白い情報がもたらされたわけです。


古民家再生のブログが集まっています。
僕のよりも、もっと参考になるブログがたくさん集まっているので、覗いてみてください。
クリックしてくださる皆さんに感謝です。

にほんブログ村 住まいブログ 古民家再生へ
にほんブログ村

NEW ENTRY «  | BLOG TOP |  » OLD ENTRY

プロフィール

野人

Author:野人
こんにちは。
野人っていいます。
前職はラーメン屋台を経営していました。

伊那谷にて2012年暮れに築150年の古民家を購入し、3年4ヶ月かけて最低限の面積を再生して、2016年3月末に移住しました。
全ての再生は10年計画なので、まだまだ続きます。

もちろんプロの方々にもお世話になりますが、お金があまり無いので、なるべく低予算と自力での再生を頑張っています。

ブログの記事数は膨大なので、手っ取り早く内容を知りたいという方はこちらのスライドショーをご覧ください。
ブログの内容を25分に凝縮しました。
https://www.youtube.com/watch?v=ZpFnv9gLmJM

自分が古民家再生をする上で、他の人のブログを参考にしたり、あるいはHPから知識を得たり、ネット社会には本当にお世話になっています。
なので、自分自身も再生の過程を発信することで、少しでもネット社会から与えてもらったものに対して恩返しできればと思っています。

皆様からいただけるコメントに励まされ、またブログを通じて広がってゆく人の輪がとても楽しみです。

当ブログはリンクフリーですので、ご自由にお使いください♪

ご用件のある方は
zenhankai@yahoo.co.jp
あるいは
090-1707-2071
までどうぞ。

最新記事

最新コメント

月別アーカイブ

にほんブログ村

にほんブログ村 住まいブログ 古民家再生へ
にほんブログ村 ライフスタイルブログ 薪ストーブ暮らしへ
にほんブログ村 花・園芸ブログ 野菜のみ(家庭菜園)へ

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
ライフ
107位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
住宅
9位
アクセスランキングを見る>>

カウンター

カテゴリ

なぜ古民家なのか? (23)
購入前の話 (58)
古民家探し (18)
参考にしたもの (25)
購入前の検証 (9)
売買交渉 (6)
古民家再生の方法論 (45)
屋根について (13)
基礎・土台について (9)
再生工程 (968)
ゴミ片付け (59)
庭・敷地・開拓 (46)
住宅設備 (17)
薪ストーブ (52)
解体 (77)
電気工事 (31)
躯体の補強 (78)
土壁の下地 (108)
蔵 (13)
木材 (12)
建具 (71)
屋根 (72)
壁塗り (57)
その他の工程 (67)
床 (96)
配管 (4)
天井 (77)
土壁以外の壁 (19)
漆塗り (12)
再生計画の全体像 (83)
予算・資金 (28)
おさらい (20)
設計 (8)
WEB内覧会 (6)
ビフォーアフター (10)
派生した話 (77)
旧宅(借家) (10)
道具の話 (26)
スズメバチ駆除 (7)
ブログ運営 (11)
ボクサー骨折 (9)
取材 (14)
古民家暮らし (111)
移住 (5)
家庭菜園 (67)
薪作り (24)
家族の話 (86)
食生活 (31)
個人的なこと (38)
ラーメン (11)
全半会 (27)
住宅考・生活考 (35)
その他 (51)
未分類 (3)
生活の道具 (5)
井戸小屋の再生 (23)
キノコ栽培 (2)
温水システム (0)
給湯システム (27)
薪小屋作り (36)
小説 (1)

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR